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ハリー・ポッターと純血の守護者

第18章 【嘲笑う者】


 大広間の前に着くと、ハリーとロンとハーマイオニーの3人が待っていてくれた。クリスの顔色を見て、何かあったことだけは確かだと見抜いた。

「どうしたの、クリス?マルフォイに何かされたの?」
「ハーマイオニー、もう薬を作る必要はないぞ」
「どう言う事?」
「あいつ、私が真の継承者だと言ってきた」
「何だって!!?」

 あまりのロンの大声に、ハリーが両手で口を押さえた。歩きながらさっきあったことを3人に伝えると、丁度曲がり角で、ジニーに出会った。もうコリンの噂を耳にしたのだろう。どこか怯えて、元気がない。

「あ……ロン」

 いつもなら、ハリーの姿を見るたび顔を赤らめて「キャッ」と小さな声を出して喜ぶのに、今日は顔色すら変えない。

「よう、どうしたんだよジニー。元気ないな?朝飯ちゃんと食べたか?」
「うん……わたしね……妖精の魔法のクラスで、コリンの隣の席だったから――」

 それだけで、ジニーがどれほど元気を無くしているか分かった。こんなか弱い1年生を脅かしている者がこのホグワーツ城内にいるのかと思うと、クリスの怒りの矛先がドラコから真の継承者に移っていった。

「待っててジニー、絶対にもう怖い思いはさせないから」
 
 燃えるような真っ赤な髪に、クリスはぽんと手を置いた。
秘密の部屋だか真の後継者だかなんだか知らないが、人の先祖を祭り上げて悪事を働くなんて許せない。絶対に誰よりも先に正体を暴いて後悔させてやる。
 燃えるクリスの瞳に火が灯る。そんなクリスをあざ笑うかのように、真の後継者はクリスのすぐ側でくすくすと笑い声を潜めていた。
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