第4章 キスしたいよ/rtrt
付き合いだして1ヶ月
毎日LINEして
毎日電話して
毎日気持ちを確かめ合って
でも彼は私にふれてこない
デートの時も
お泊まりの時も
私、レトさんとキスしたいよ
「ねぇ、レトさん?」
「ん?どした?」
優しく笑う顔に、つられて笑みがこぼれる
はっ…ダメダメ、今日はまったりとしてなんかいられない
今日こそは!と意気込んで来たレトさんち
いつも通り、ソファに座ってゲームなんかしながら過ごす
でも今日は絶対に、絶っ対にキスをする!
そのために作戦をいくつか考えてきたんだから
いざ、作戦決行!!!
ねえねえ、と上目遣いでレトさんの服を引っ張ってみる
あ、アヒル口忘れずに!
「どしたん?
…変顔してんの?」
違う!違うよ!!
渾身のぶりっ子顔が変顔?!
作戦失敗…
しかも無駄に傷付いた…
挫けず次の作戦!
ソファから立ち上がり、落下位置確認
貧血を起こして倒れかかる私をレトさんが抱き締める
その近い距離にドキドキして、
自然に唇が…作戦
行け!私!GO!!!
力を抜いてふわっとレトさんに倒れかかる
「!!!
大丈夫っ?!」
レトさんが優しく抱き締め…
あれ?
レトさんは私の両肩にそれぞれ手を置いて、腕を突っ張っている状態
しかも結構、力強いぞ
「大丈夫?貧血かなぁ。
横になってた方がええよ。」
とそのままソファに座らせてくれる
うん、レトさんとっても優しいんだけど、ね
思ってたのと違う…
レトさんは飲み物を持ってくると言って、キッチンへ行ってしまった
とりあえずソファに横になる
あーぁ、惨敗か…
レトさんどうしてキスしてくれないんだろう
私の事、本当は本気じゃないのかな
なんか涙出てくる…
色々考えてる間に、ゲーム疲れか無駄な労力を使ったからか眠くなってきた
まだ他にも作戦、あった…のに…な…
☆★☆★☆
「つばさちゃん?飲み物持ってきたで。
…ん、寝てんの…?」
ソファで無防備に眠る彼女
近寄り、そっと髪を撫でる
「ほんま、可愛えな…。」
少し開いた唇に、キスを落とす
いつも寝ている時にしかできない臆病な俺
「はぁ…つばさちゃんと
キス、したいなぁ…。」