第13章 嵐の文化祭 その6
「おい、今度はなんだ?」
「わ、私、さっき宗介さんのこと『だいっきらい』って言っちゃった・・・ごめんなさい!そ、そんなの嘘です!私っ、宗介さんのことがだいすき・・・んんっ!!」
・・・ああ、なんでこいつはいつもこんなに唐突なんだ?いつだって俺の理性をぶっ壊そうとしてくる。身体の奥底から込み上げる衝動に任せて、俺はヒカリの唇を奪った。
「・・・・・・っは・・・!!!」
一度唇を離してヒカリが呼吸する隙を縫って、ヒカリの口内に初めて舌を侵入させた。ビクリと大きくヒカリの身体が震える。
「っふ・・・っ・・・」
反射的に俺から身体を離そうとするヒカリ。だけど、片方の手はヒカリの腰に、もう片方の手はヒカリの頭に添えて、逃がさない。
舌先と舌先が触れ合うが、すぐに奥へとヒカリの舌が逃げていく。角度を変えて更に舌を奥深く差し入れて、小さなヒカリのそれを掠め取る。感触を確かめるように何度も何度も絡め合わせる。
「っぁ・・・ぁ・・・ふぁ・・・」
ヒカリの口から今まで聞いたことがないような甘い吐息が漏れて。その手が俺の学ランを、すがるように握りしめてきて。ずっと感じたかった感触を欲しいままにできて。頭の芯から蕩けていきそうだった。
「ぁぁ・・・・・・んんんっ・・・・・・」
どのぐらいそうしていたかわからない。とても長い時間のような気もするし、ほんの短い間だったような気もする。
最後に一度、強くヒカリの舌を吸い上げると、俺は唇を離した。
「はぁっ・・・はぁ・・・そう・・・すけさん・・・はぁ・・・」
目の前のヒカリはこれまで見たことがないぐらい頬を染めて、その潤んだ瞳からは少し涙が零れ落ちていた。
もう一度ぶっ壊されそうになる理性を必死に働かせる。
「・・・・・・どうだった?」
「・・・ど、どう・・・って・・・」
まだ肩で呼吸をしているヒカリ。恥じらうように、もう一度、俺の胸に身体を預けてきた。そっと柔らかい髪を撫でてやる。
「・・・よくわかんないけど・・・く、苦しくって・・・し、死んじゃうって・・・思いました・・・」
「・・・はっ・・・そうか」
ヒカリらしい感想に思わず噴き出してしまう。