第12章 嵐の文化祭 その5
「・・・・・・と、まあ私の本音はこんな感じです」
・・・『こんな感じです』じゃない!何をきれいにまとめようとしてるんだろう、私は。
宗介さんは、まさにこれが鳩が豆鉄砲を食らったような顔です、と言わんばかりの顔をしている。
・・・途中までいい感じに冷静に話せてたのに、一気に気持ちが溢れてぶちまけてちゃって・・・本当に私は子供だと思う。宗介さんによくガキって言われるけど、これはもう否定できない。どんびきだろうな、宗介さん・・・・・・
「・・・・・・っは!」
「・・・・・・」
「ははは!・・・っははは!!」
・・・ああ、そうだった。こういう時、宗介さんはいつも笑ってくれるんだった。
「お前・・・っはは!肺活量すげーな!」
・・・笑うところ、そこ?!
「声もでけえし・・・ははっ!」
・・・恥ずかしい。確かに私の声、そこら中に響き渡ってた。
「それに・・・お前、またちんちくりん、って・・・ははは!」
・・・笑いすぎ。顔が熱い。いつまで笑ってるんだろう、この人は。
「も、もう!いつまでも笑わないでくださ・・・っん!」
「ほんっとお前、面白くて飽きねえわ。ははっ!」
宗介さんの大きな手が、私の頭を少し乱暴に掻き混ぜる。
・・・嬉しい。すごく嬉しいけど、今日という今日はさすがに撫でてくれたって許してあげない!
「っはは!・・・あー、腹いてえ・・・ホント最高だわ、お前・・・ははっ!」
・・・ダメだ、私。なんて意志が弱いんだろう。でも、こんな笑顔見ちゃったらもう・・・好き・・・宗介さんが大好き。
「も、もう・・・ふふふ・・・あはは!・・・きゃ!」
宗介さんの笑顔につられて、私も笑みがこぼれた。だけど、次の瞬間には、私は宗介さんの力強い腕に抱き寄せられていた。