第26章 ふたりの、初めて。 その3
「え、えっと・・・そんなに、その・・・わ、私と・・・・・・し、したかったんですか?」
「・・・った・・・んだよ」
「え?も、もう1回・・・」
宗介さんの頬がまた、少しずつ赤くなっていく。そして、その声はあまりに小さくて聞き取ることができなかった。
「っ・・・そんなに!したかったんだよ!・・・・・・いちいち聞くな、んなこと」
・・・やっぱり怒られちゃった。だけど、照れくさそうに私から視線をそらした宗介さんの横顔は、さっきと同じぐらい赤くなってて、ちっとも怖くなんてなかった。
・・・ううん、その反対。真っ赤に・・・そう、まるでいちごみたいに赤くなってる宗介さん、すっごく可愛い。
そんなに私としたいって思っててくれたことも嬉しい。私に合わせてずっと待っててくれたことも嬉しい。
宗介さん、私のこと本当に本当に、大事にしてくれてるんだなあって。
・・・私も宗介さんのことが大事・・・だいすき・・・
色んな気持ちが溢れて、気付いたら身体が勝手に動いて、目の前の宗介さんに抱きついていた。