• テキストサイズ

いちご☆恋模様 PART2

第21章 すてっぷあっぷ? その1


「・・・わかった。お前が寝るまでここにいてやる」

「い、いいんですか?」

「おう。だから安心しろ」

「・・・はい」

ベッドに座り直した宗介さんが、優しく頭を撫でてくれる。自分でお願いしたくせに泣いてしまいそうになって、慌てて目を強く閉じてごまかした。







「・・・宗介さん」

「ん?」

「宗介さんのとこって、テスト今日まででしたっけ?」

「おう・・・お前んとこは昨日までだったよな」

「はい。倒れたのがテストの後でホント、よかったです」

「ははっ、そうだな」

眠くなるまでの間は、なんてことない話を宗介さんとした。

私のすぐ近くにある宗介さんの手。なんとなく触れたくなって、そっと手を伸ばしてその大きな手に触れてみた。
ぎゅーっと握ってみたり、手の平同士を合わせて大きさ比べをしたり、指を絡めてみたり。宗介さんは、『くすぐってえよ』なんて少し笑ってたけど、いやがったりせずにずっと私の好きにさせてくれていた。




「・・・宗介さん」

「どうした?」

薬が効いてきたのか、話している間ずっと宗介さんの手を触っていたから安心したのか、少し前から瞼がだいぶ重くなってきた。

「私・・・今日、すごく嬉しかった・・・」

「そうか」

宗介さんの手を両手で握りながら、私は話し続けた。

「・・・私が風邪ひいて寝てても・・・お父さんもお母さんも仕事行っちゃって、いつも一人だったから・・・今日もすごくさみしくて・・・」

「・・・・・・」

「・・・こんな風に風邪の時に誰かが側にいてくれるなんて、もうずっとなかったから・・・」

「・・・・・・」

どんどん瞼が重たくなってくる。段々自分が何を言っているのかさえもよくわからなくなってくる。

「・・・だから宗介さんが側にいてくれて・・・嬉しかった・・・大好きな宗介さんがすぐ近くにいて・・・すごく・・・・・・嬉しかっ・・・・・・」

そこまで言って、私は再び眠りの世界に引きこまれていった。
ぼんやりとした頭の中で、ずっと握っていた宗介さんの手がとてもあたたかったことだけが、はっきりと記憶に残っていた。
/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp