第20章 悩める季節 その3
「ふふ、素敵なクリスマスになるといいわね!」
「はい!天方先生、本当にありがとうございました!」
私は椅子から立ち上がって、感謝の気持を込めて先生に頭を下げた。先生に話して本当に本当によかった。
・・・よーし、イヴまでにやることがたくさんあるから頑張らないと!そうと決まったら・・・
「先生、それじゃあ失礼します!」
「あ、もうひとつだけ言わせてちょうだい。こんな名言が・・・あら?長島さん?!長島さーん?!」
パタパタと廊下を小走りで駆け抜けて、校舎の外に出る。
モヤモヤしてた気持ちがやっと晴れた。色々不安はあるけど、イヴがなんだか楽しみになってきた。
宗介さんにいつもよりも可愛いって思ってほしいから、新しい服も買おうかな。それに・・・し、下着もちょっとは色気のあるの買ったほうがいいのかな・・・宗介さん、どんなのだったら喜んでくれるんだろうか・・・まさか事前に聞くわけにも行かないし・・・
・・・でもいいや。まだイヴまで時間はあるし、ゆっくり考えていこう!さ、まずは家に帰って・・・・・・あれ、なんか寒い・・・でも今日はコートちゃんと着てるし・・・・・・
・・・・・・寒いっていうよりもなんか・・・ぞくぞく?フラフラもなんかひどくなってきたような・・・
・・・あれ・・・これって・・・まさか・・・・・・
「はっ・・・ハクション!!!」
冬の空に私の大きなくしゃみが響き渡った。