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いちご☆恋模様 PART2

第20章 悩める季節 その3


未だにフラフラするし、今日はとりあえず家に帰ってゆっくり休もう、そう思って私は廊下を歩いていた。


廊下で話したり、歩いたりしているみんなの顔は、やっぱり開放感に満ち溢れて、とても晴れ晴れとしている。

・・・そうだよね、テスト終わったし、後はもう冬休みまであと少し。クリスマス、お正月とイベントがたくさん・・・・・・

・・・クリスマス、と考えたところでまた頬が熱くなる。こんなことがなければ、私も今頃、宗介さんとのデート楽しみだな、とかのんきに考えていたんだろうか。

・・・もうやめちゃおうかな。イヴの日は普通に宗介さんとデートして、ああ楽しかった・・・で終わればそれでいいんじゃないかな、そんな気がしてきた。

・・・・・・ダメだ、ダメだ!お父さんもお母さんもいない、こんなチャンスなんて滅多にないのに。それにもう宗介さんを待たせたくないって、ちゃんと応えたい、って決めたのに・・・・・・

でも、でも・・・・・・



「あら、長島さん?どうかしたの?」



おっとりとした声が聞こえてきて目をやると、いつの間にか天方先生がそこにいた。


「あ、い、いえ!何でもないです!」
「長島さん、赤くなったり、首をぶんぶん振ったり、一人で百面相してるから気になっちゃって。何かあったの?今日でテストも終わりでしょ?」

一人百面相・・・なんて恥ずかしいものをみられちゃったんだろう・・・また顔が赤くなりそうになるのを私は必死で抑える。

「は、はい!テストも終わったし、う、嬉しいなーって・・・あはは・・・あはは・・・」
「・・・何か悩み事かしら?」
「へ?」
「ううん、なんかいつもの長島さんとは違うような気がしたから。先生でよければ話、聞くわよ?」

普段ぽわんとしているようで、やっぱり鋭い。さすが先生。
・・・・・・違う。多分私がものすごくわかりやすいんだ。だけど、こんな話、先生に、いや学校の先生だからこそ聞かせられない。

「だ、大丈夫です!何も悩んでないです!元気ですよ、それじゃあ失礼しま・・・へ?」
「ふふふ。そこ、進路指導室なの。今誰も使ってないみたいだから、行きましょうか」
「ちょ、ちょっと!先生・・・は、離してくださ・・・ひゃあああ!」
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