第18章 悩める季節 その1
「・・・だったんですよ」
「・・・・・・」
「宗介さん?もう!私の話聞いてます?」
「・・・・・・ヒカリ」
「あ・・・」
いつもの公園のベンチに座って話をしていて。急に宗介さんが静かになったなと思ったら、その大きな手が私の頬に触れていた。
「・・・・・・」
「・・・っ・・・」
ぎゅっと固く目を閉じると、すぐに宗介さんの唇が触れた。何回か軽いキスをした後で、宗介さんの舌が私の口内に入ってきた。そうなるかな、と予感はしてたけど、やはり身体がびくりと震えてしまう。だけど、宗介さんの大きな手が髪を安心させるように撫でてくれて、私は宗介さんにすべてを委ねた。
「っぁ・・・ふぁ・・・ぁ・・・」
恥ずかしい声が自分の口から漏れているのがわかる。でも、宗介さんの舌の、甘くて優しくて、でも時に激しいその感触に夢中になっていると、自然とそんな声が出てしまうのだった。
「・・・ぁ・・・んん・・・」
「・・・ヒカリ」
長いキスが終わると、宗介さんがまるで小さい子にするみたいに、頭を撫でてくれる。私は多分耳まで真っ赤になってるのに、宗介さんはいつもとほとんど変わらない顔だ。なんだか悔しい。
「・・・まだ死んじゃいそうか?」
少し笑いながら宗介さんが私に聞いてくる。
「っ・・・わ、わかんないっ・・・です・・・」
赤くなった顔を隠すように、宗介さんの胸に顔を埋めた。
「はっ・・・そうか」
しょうがないな、と言った感じで宗介さんの手が再び頭を撫でてくれる。
吐く息が白くなるほど辺りは寒いのに、宗介さんと触れている部分だけがとても熱かった。