第16章 with you
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・多分、私の心臓すごいドキドキしてると思う。それを聞かれていると思うと恥ずかしい。でも、それよりも私の気持ちが宗介さんに伝わってほしい。
「・・・・・・・・・ヒカリ」
「・・・はい」
・・・何分ぐらいの時間が経っただろうか。いつもとは逆の体勢で、私達は長い時間抱き合っていた。
宗介さんが小さな声で私の名前を呼ぶ。
「・・・・・・・・・お前・・・・・・ちっこいくせに結構あるんだな・・・」
「・・・っぎゃあああ!エッチ!!宗介さんのエッチ!!変態!!!」
最初何を言われたのかわからなくて、一瞬後に理解できた。バッと宗介さんの頭から腕を離す。
「ばっ!お前、変態とかでかい声で言うな!警察呼ばれたらどうすんだ」
・・・もうやだ。人が真剣に元気付けてあげたい、安心させてあげたいって思ってたのに、この人はなんてことを考えてたんだろう。もう、気分的には警察を呼んでしまいたいぐらいだ。
「もう、バカ!宗介さんのバカ!!人がせっかく・・・きゃっ!」
真っ赤になって喚いていたら、急に腕が強く引っ張られて、次の瞬間には、今度は私が宗介さんに抱き寄せられていた。
「・・・宗介さん?」
「・・・・・・ありがとな・・・ヒカリ」
小さな声でそう言う宗介さんは少しだけだけど、笑ってくれていて。私が宗介さんを元気にできたのかなんてわからないけれど、その笑顔に私も嬉しくなった。
「・・・はい」
頷いてそっと目を閉じると、すぐに宗介さんの唇が私の唇に触れた。