第15章 同じクラス、隣の席
「・・・ヒカリ」
「は、はい・・・・・・んっ」
あれ?なんか宗介さんの声のトーンが急に変わったなあ、なんて気付いた時にはもう宗介さんの顔が近付いてきていた。目を閉じる間もなく、触れた唇はすぐに離れていく。
「・・・こういうこともできるかもな」
「こっ!これは!さすがに気付かれちゃうし!な、何より恥ずかしすぎます!!」
もう、授業中だという設定も忘れて、私は大きな声を出してしまっていた。触れられた唇からどんどん熱が広がっていく。
「はっ!そうか・・・まあでも、俺、ヒカリの隣の席は無理だわ」
「えぇっ?!な、なんでですか?」
「お前うるせえし、授業になんねえわ・・・ははっ!」
「う・・・すいません・・・」
遊びでやったことだけど、一瞬でも宗介さんと隣の席の気分を味わえて私はすごく嬉しかった。でも、それではしゃぎすぎてしまったのかもしれない。宗介さんは笑ってくれているけれど、私はなんだか落ち込んでしまった。
だけど、宗介さんの言葉にはまだ続きがあった。
「それに・・・・・・」
「へ?それに?」
「お前が・・・・・・・・・」
宗介さんの頬が少し赤くなったな、と思ったらその顔がまた私の方へと近付いてきた。
「・・・・・・可愛すぎて集中できねえ」
そっと耳元でささやかれた言葉に、耳だけでなく身体中が熱くなっていった。
・・・・・・きっと私も、宗介さんが隣の席じゃ、授業にならない。