第8章 白い椿
隣にいた足軽さんが話しかけてきた。
足軽「大丈夫ですか?」
優実「はい」
掴もうとするが手が、うまくハシを掴めない私は立ち上がり善を片付けたこれ以上食欲もでないから。
自室に戻りゆっくりしてると幸村さんの声がして部屋に入ってきた。
幸村「あの先程夕餉を残されてましたが、体調でも悪いのですか?」
何時もの優しい幸村さんでもあの冷たいのは本物の幸村さん? 私は首を降り答えた。
優実「おじいちゃんの様子が気になって」
幸村「優しいですね優実姫、俺は逆に人を怖がらせて優実姫まで顔を曇らせて」
どうゆうこと? まるで今朝私が立ち聞きをしていたのを知っていたかのようだ。
冷たい目で見上げて言う幸村さん。
幸村「お館様にはこんな冷たい目は見したことありません、佐助、家臣、侍女にしかみしたことないのです本来俺は冷たくてひねくれ者です。 嫌いになった?」
優実「嫌いになるわけがない! 私は幸村さんの全てが知りたい」
幸村さんは私を抱き寄せて言う。
幸村「ありがとうございます」
しばらく抱きついて顔を赤くしたまま、部屋を出た幸村さんだが私も耳に熱を持ったまま布団に入った、自分の体にはまだ幸村さんの臭いが残っているような気がした。
その温もりと匂いに包まれたまま寝床に入った。
次の日になると朝餉を食べる為に大広間に行くと、佐助さんの姿と幸村さんがない何でだろう?
食べ終わり武田信玄に聞くことにして、執務室で話をする。
優美「幸村さんの姿が見当たらないのですが」
筆の手を止めて私の方を見て言う。
信玄「幸村はワシが起きてから姿を見ない、幸村の行きそうなところは伊達の小瀬がれしか思いあたらん」
やっぱり武田信玄も知らない心配だ。