第4章 ありふれた日常
"運命"も
たったひとつの出来事で、
ただの幻想に変わる
思い込みだってなんだって、目の前の現実が期待出来るものなら、
信じたいって、
頑張れるって、思うのに
途端に弱気になった
だって、ケータイさえ持たないマサキさんと
どうやってまた、会ったらいいの?
張り切ってオシャレした自分が
すごく惨めに写る
急に食欲も失せて、
お兄ちゃんの部屋を出たのに、
途端に、ぐぅ…っとお腹が鳴って、ますます泣きそうになった
どうして…?
急に出てったの?
お兄ちゃんの態度も、おかしい気がしたし
もしかして、喧嘩したのかな
それなら、仲直りしたらいいんだし
また会えるに違いないって、必死に自分を納得させた
会える
きっとまた会える
大丈夫
大丈夫だよ