第4章 ありふれた日常
「じゃ、早速今日からお願いします」
腰を折り曲げ、頭を下げると
見知った奥の部屋のドアを開けた
「お、来たな」
既に、身仕度を済ませた先輩が、
立ち上がり、俺の肩に触れる
「しばらくお世話になります」
「しばらくなんて言うなよ。
ずっといたらいいんだから」
意味深な目線
密着する身体
ライバル意識の高いこの世界で、
気まぐれにバイト出来るのは、
この店トップの先輩に気に入られてるからで
お金が必要になったら、お願いして、短期バイトさせてもらっている
「夜、わかってるよな?」
「もちろん」
笑顔で頷くと、メモを渡され
そこには、ホテルの部屋が記されていた
それをポケットに突っ込んで
制服のスーツに着替え始めた
手っ取り早く稼ぐには、
こーゆう裏の世界が一番だ
まとまったお金が入れば、しょーちゃんとこ出て行けるし
稼ぎながら、
自分を傷付けられるなんて
こんなイイコトない