第1章 Look at the skies
まさかまた、ココに来るなんて思わなかったな……
玄関先で靴を揃えると
しょーちゃんの後を着いて、部屋に上がった
イイニオイのするリビングは
しょーちゃんの匂いとおんなじだ
なにかな……コレ
……お香かな
アロマとかいうやつ?
「風呂入るだろ?」
「あ、うん」
お風呂のスイッチを押して
しょーちゃんはソファーに腰を下ろした
目の前のローテーブルには、
開けたばかりの煙草と灰皿が並んでて……
思わず、気付いたそれをジッと見つめてると
コートから出しかけた煙草を、またしまって……
しょーちゃんは、
開いた箱から、1本取り出してそれを咥えた
途端に、シンとなって……
お互いに、どうしていいかわかんなくて
何とも言えない空気になる
「………」
「………ぷっ」
ソファーに座ったしょーちゃんと目が合って、
吹き出してしまった
「……いる?」
「ありがと」
差し出された箱から、俺も1本抜き取り……隣に座った
口に咥えると、カチッとライターの火を点けてくれて……
顔を寄せる
しょーちゃんの顔が、至近距離で見えて……
キレイだな、って、
こんな風に男相手に思ったのは、初めてかも知れない
紫煙を燻らせ
同じタイミングで、
しょーちゃんの唇から煙草が離れたから
少しだけ、顔を傾けて
柔らかそうな唇に
キス、してみた