第1章 Look at the skies
俺の向かい合わせに正座したまま、
グイッと背筋を伸ばし、
俺のシャツに手を伸ばす
躊躇なく、ボタンを1つ弾くと
また次のボタンへと指を動かす
「ちょっっ!なにすんだよっ!」
「え?」
「ふざけんなっ///」
ヤツの身体を突き飛ばし、開かれたシャツを閉じた
……なのに、
尻もちをついたまま、キョトンと俺を見つめてる
「あれ?間違った?
てっきりコッチかと思ったんだけど……ゴメンね」
「はい?」
「じゃ、……っと」
「なっ///」
今度はガバッと、自分の着ていた服に手を掛け
上半身が露わになる
「な、何してっ」
「ナニって、脱がなきゃデキないでしょ?」
「デキ……ない……?」
この男は、さっきから何を言っているんだ
ふざけてるとしか思えないのに
その表情は、いたって真剣だった……
「あ~、そか。
脱がせたいタイプね?」
何も答えない俺の代わりに、勝手に納得して
ヤツはラグの上に、ゴロンと横たわった
「いいよ?
好きにシて」
「~っ/////」
カーッと頭に血が上り、
落ちてた服を、ヤツの顔面目掛け投げつけた
「いいから!
早く服着ろ!!
じゃなきゃ出てけっ」
ナンで怒るのって、首を傾げる姿は
からかってるワケでも、ふざけてるワケでもないって、気付いてはいたけれど……
「……だから、連れてきたんじゃなかったの?」
「ちげーよ!」
「……そうだったんだ。
じゃ、さ……」
「いいから!早く寝ろ!」
セリフを遮り、
もいちど怒鳴りつけた
"何で"なんか聞かれてたまるか
俺のが聞きたいくらいなのに
トレーナーに手を伸ばし、大人しく服を着ると
ヤツはまた、笑顔を見せた
「ありがとね」
……一体、何に対して言ったのか、
わからないけど
とりあえず頷いて、
空いた部屋で寝ろと促した