第13章 奪還
マナサイド
《緑谷、そっち無事か?マナは…》
緑谷くんのスマホから声が聞こえる。焦凍くんの声だ…彼も、助けに来てくれたんだ…
緑「うん!轟くんの方は?逃げ切れた!?」
《多分な。奴の背面方向に逃げてる。プロたちが避難誘導してくれてる》
緑「よかった!僕らは駅前にいるよ!あの衝撃波も圏外っぽい!奪還は成功だよ!」
爆「いいか俺ァ助けられたわけじゃねえ。一番良い脱出経路がてめえらだっただけだ!」
切「ナイス判断」
爆「オールマイトの足引っ張んのは嫌だったからな」
『ありがとう…ほんとに!私、もう限界だったから…』
正直気力だけで戦っているような状態だった。あれが続いていたらきっと、私は倒れ、勝己くんに負担をかけて、さらにはオールマイトの足を引っ張ることにもなっていたと思う。みんなには感謝しかない。
切「俺だって心臓限界だった!ほんと…なんもされてねえか!?」
爆「そうだ、てめえ別のとこで捕まってんじゃねえよ!」
『え!?理不尽…!でも、ほんと大丈夫だよ…強いて言うなら、死柄木弔と話したよ』
切「あいつと!?」
『うん…でもね、なんか子供みたいだった。私がいなくなるとき…母親を追い求める子供みたいだったの…行かないで、って…』
爆「てめぇ、敵に同情なんざすんなよ!?」
緑「あ、甘風さんは優しいから…!でもまさか死柄木と接触してたなんて…!本当に、無事でよかったよ…」
『うん、心配させて、ごめんね…ほんとは、来たことを怒らなきゃなのに…でも、嬉しかった!みんな、来てくれてありがとう…』
私は顔をあげる
すると
「え…?なんだあのガイコツ…」
まわりの人の戸惑うような声が聞こえる
そこに映るのは…
《えっと…何が、え…?見えますでしょうか?
オールマイトがしぼんでしまってます…》