第11章 [番外編] 幼なじみとの出会い
『ふぇぅ、っく…ぅぅう…』
外は真っ暗で、雨が地面を打ち付ける音と、大きな雷の音が辺りに響く
ここはとある保育園
警報が出て次々と親御さんが迎えにくるなか、まだ親が来ず、雷の怖さで泣いている女の子がいた
『ふぇっ、ままぁ…ぱぱぁ…こわいよぉ…』
先生たちも親御さんの対応に忙しく、その女の子に気づけない
女の子は布団にくるまり1人で泣きながら耐えている
が、女の子の怖さはピークをむかえていた
そんなとき
「ないてるの?」
高い声が彼女にかかる
男の子のようだ
「どうしたの?おかあさんがこないのがかなしいの?かみなりがこわいの?」
『っ、ふ…まま、こない…かみなりこわいよぉ…』
「じゃあ俺といっしょにいよ!俺のこせいね、たいでん!かみなりより強いんだ!だからね、俺がいたらぜったいにまもってあげれるよ」
『ほんとお?』
「うん!まま来るまでいっしょだったらさみしくないでしょ?」
『さみしくない…』
「ね!おれ、上鳴電気!」
『でんき…?私ね、甘風マナ』
「マナちゃんね!ほら、俺がぎゅーってしてあげる」
そう言ってまだ短い腕で精一杯、少女の体を包み込む
すると、少女の涙もひっこんでいく
「あら電気くんとマナちゃん仲良しね!」
「俺がね、マナちゃんまもってあげるの!」
「さすが男の子ね!ちゃんとまもってあげなきゃね。マナちゃんも電気くんと一緒なら安心よ」
『電気くん、ヒーローみたい』
「ほんと!?おれ、ヒーローになれる!?」
『うん、電気くんヒーローだよ!』
「えへへ…」
そうしてしばらく2人で話していると、お互い眠くなってしまったのか、布団にくるまり2人で眠ってしまう
そして
「マナ、迎えにきたわよ」
少女の母が、眠る少女を起こす
するとそれにつられて電気まで起きる
「うぅ…」
『ふぁ…まま…』
「この子と一緒にいたのね。かみなり、こわくなかった?」
『電気くんがまもってくれたから、こわくなかった!』
「そう、よかったわね!電気くん、ありがとう」
「うん、おれ、マナちゃんのヒーローだから!」
それが始まり
彼らの夢と、関係の
雨はいつの間にか止み、空には虹がかかっていた