第5章 いま愛を語ろう

それから俺とニノはありとあらゆる方法で翔くん攻略に挑んだ。

正攻法でいくと常識人の翔くんには受け入られないだろうからと翔くんの常識を壊す所から始めた。

ニノと必要以上にくっついてベタベタしたりして、男同士でも密着するは普通のことだと徐々に植え付けていった。

それでも翔くんが少し俺と距離を取り始めた様に感じたからニノにそう言ったら。


「大丈夫だよ」

って笑って言った。後からニノに聞いたら翔くんが俺を意識し始めたせいだったんだって。早く教えてくれよ、落ち込んだじゃないか。

そんな時、俺が翔くんの気持ちを知るキッカケの行動を起こした。

それが7年前のライブツアー



「全身全霊～♪」

隣に立つ松潤の肩に手を置き頬っぺたにチュッとキスをした。

驚く松潤、ファンの子達も盛り上がって楽しいライブだった。まさかその時翔くんが落ち込んでたなんて思いもせず。

ライブを終えてシャワーを浴び、楽屋に戻ると目を疑う光景が飛び込んできた。

ニノが翔くんを抱いていたんだ…信じていたニノに裏切られた気分。

自分で思っている以上にキレていたらしい…いつもより低い声が出た。

「…何してるの？」

振り返る翔くんの瞳は潤んでいた。