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黒バスshort stories ver,Christmas

第2章 金と銀、紫と緑  ≪黄瀬涼太≫



乾いた風が吹いて思わず首をすくめた。マフラーをしてても首元が寒い。手を口元に当てて熱を逃がさないようにしながら少し早足で歩く。

ふと、目の前から見慣れた人物が歩いてきたので思わず駆け寄った。

この季節だからこそ会いたい人物。

「…あ、しおりんじゃないッスか。どうしたんスか?こんな寒い中。」

少し驚いた顔をして私を見る彼に、どこか温もりを感じる。

「お買いものしてきたの。」

といいながら、手元の紙袋や何やらを持ち上げ、肩をすくめた。中身は服やら本やら雑貨などなど。暇だったから出かけただけなのに結構買いすぎてしまった。




買いたいものは一つだけだったから。



「よかったら途中まで…いや、家まで送ってくッスよ。と言っても拒否権はないッスけど。」

そう言うと彼は私の手から荷物を取った。ニッと笑いながら片手に荷物、そして空いた手を私に差し出す。


そっと手を握ると、優しく握り返される。

そのちょっとした仕草が私を笑顔にしてくれる。


「しおりん、手、冷た!ダメッスよ―、暖かくしてなきゃ。」

先ほどよりも強く握られた手を握り返し、二人で歩く帰り道。


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