黒バスshort stories ver,Christmas
第12章 雪うさぎと私 ≪氷室辰也≫
周りを見ると真っ白の景色。雪がだいぶ積もったようだ。
白い景色は好きだ。心なしか澄み切ってる感じがするから。
道端にかがんで小さな雪だるまを作って遊んでいると、後ろから足音が聞えた。
「ごめん、遅くなって。」
すまなそうに眉根を下げる彼に私は黙って首を振った。
「大丈夫、寒いのは慣れてるし。むしろ辰也の方が心配。」
「俺は平気だよ。大事な彼女のことを心配するのはいけないことなのかい?」
そんなこと、クールビューティーなあなたに言われたらぐぅの音もでません。と心の中で言う。黒のコートを着た彼はモデル見たいで、思わず見入ってしまう。恥ずかしいけど。
「何作ってたんだい?」
まだしゃがんだままの私の隣に彼も背をかがめた。
ブロックの上に乗っているのは小さな雪ダルマと雪うさぎ。
「雪ダルマと雪うさぎ。」
「可愛いね。」