黒バスshort stories ver,Christmas
第6章 デレがみたいから ≪緑間真太郎≫
ツンデレなのは知ってるけど、クリスマスくらいデレてもいいと思う。
内心そう思いながら体育館の外の階段に腰掛けて、バスケ部の練習が終わるのを待っていた。
普通休みでしょう。と思われるが宮地先輩いわく「リア充ども、ざまぁねぇな。」らしい。高尾君は最後まで精一杯反抗してくれたけどやっぱり先輩に勝てるわけもなく、せいぜい練習を午前中のみにしてくれるしか先輩たちは折れてくれなかった。
「寒い…」
中に入ってもいいけど空気を乱すと嫌だから大人しく外で待っている。悴んだ手をコートの袖に隠してなるべく体を縮める。
ぴとっと頬になにか温かい物が触れて上を見上げると、真ちゃんが見下ろしていた。
「ずっと待っていたのか。中に入ってもよかったのだよ。」
「邪魔しちゃいけないと思って。」
真面目な顔をして答えると彼はあきれたというようにため息をついた。練習は終わったらしく横を見ると高尾君が大げさに手を振っている。
「真ちゃん彼女凍死させんなよぉー!!!!」
「五月蠅いのだよ!さっさと帰れ!」
「ちぇー、誰のおかげだと思ってんだよ。じゃ、紫苑ちゃん!遅くなってごめんねぇー!!」
先輩達に引きずられながらも笑顔で必死に手を振る高尾君に、私は手を振り返した。真ちゃんはそれがなんだかふふくそうに高尾君を睨みつけていた。