黒バスshort stories ver,Christmas
第1章 皆で過ごすのも悪くない (キセキの世代)
「…紫苑。これ、予定なんだが…」
そういって私に用紙を差し出す幼馴染の知的な深紅の瞳に期待するような目をちらっと向けても、返事は帰ってこない。
これは覚悟を決めなくては…
さつき、私の分までケーキ食べてきて。
「赤司っちー!なんでまたよりによってこの日に練習入れるんスか?!クリスマスッスよ!クリスマス!」
「だからなんだ。」
「酷っ!」
一緒に過ごしたい人がいるのに~、プレゼント貰いたかったッス…などど肩を落としてむくれる黄瀬っちは相変わらずで、どうせファンの子でしょと半ばあきれに近い感情を持つ。
「赤ちん、ケーキはー?」
「お?!ケーキいいな!紫苑!お前さ作ってこいよ、ケーキ。とびきりでかいのを頼むぜ!」
ニヤッとして親指を立てる青峰に緑間っちの鋭い指摘が飛ぶ。
「練習なのにそんなことしてる暇はなにのだよ。」
「いいじゃねぇか、別に。紫苑の料理は最高なんだし。」
ケーキか…作れないこともない。むしろ、作りたい。だってさ、皆で食べると何でも美味しく思えるから、こういう日だけは皆で美味しいもの食べてもいいよね。