<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第18章 愛を学ぶ ― 姫&家康 ―
「ん…家康に抱き着きたかったの」
「…どうして、そう、可愛い事するの?」
ため息を、一つ、つく、家康。
そしてこちらを振り向き、私をそのままくるりと押し倒す。
思わなかったこの体勢に、この後何が起きるか想像して、顔がほてるのがわかる。
「舞、こうして、欲しかったんでしょ」
家康の顔もなんとなく染まっているみたい。
私の頬を撫でる手も、ほんのり熱くなってる?
「いえ、やす…」
手を伸ばして、ふわふわのはちみつ色の髪の毛を梳く。
翡翠色の瞳が近付き、甘い吐息と、からだが痺れるような優しい口付けをくれる。
唇が離れるのがさみしいから、もっと触れてよ、家康。
「もっと、教えて、家康の事…」
私が家康の顔を見上げて言うと、家康は瞳を柔らかく揺らして小さく笑みを浮かべた。
「止まらなくても良いなら、ね」
止めないで、教えて、もっと、貴方の事を。
愛をすることに、愛をされることに、何もかんがえられないよ。
甘く疼くからだを家康に委ねて、私は言葉が無くとも、家康の事を知っていくの。
<終>