第181章 愛のひととき　― 姫＆光秀 ―

光秀さんの背中に両腕を回し、抱き締める。

気付いた光秀さんの妖艶な笑みが私を射抜く。

「…いいこだ。自分の立場を理解したようだな」

今更じゃなくて、とっくに気付いていたよ。

私は、貴方の意地悪を、いつからか、楽しみにしていて、待っていた…



深く光秀さんのからだが私に押し入り、私の全てを受け取る。

「光秀さん、愛してます」

光秀さんは一瞬真顔になり、その後ふ、と優しい笑みを浮かべた。

「俺もだ、舞」

そう言った光秀さんは私を存分に貫く。

夜が明けたら光秀さんは誰にも気付かれないように、自分の仕事に入る。

陰の仕事を受け持ち、誰にも気付かれないよう行動しなければ、己の命が危ない。

その危険な任務の前に、私に全てをください、そうお願いしたのが数刻前。

「ほう、俺が欲しい、と。ずいぶんはっきり言うな」

「…言うこちらも恥ずかしいんです。嫌なら嫌で構いません。光秀さんに任せます」

「可愛いおんなから誘われたら、断れないだろう」

「それじゃあ…」