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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第147章 側にいて ― 家康&姫 ―


俺が抱き締めた舞は「嬉しい…」と言って、こちらを見上げ、優しく微笑んだ。

その笑顔は美しくて、可愛くて、俺だけに見せてくれる顔なのかと思うとドキリとした。

その顔に自分の顔を近付け、そっと唇に自分の唇を触れる。

それだけなのに、舞は赤くなってこっちを見る表情に色気を含む。

たった唇に触れただけで煽ってくるとは思わず、俺はこくりと息を呑む。

「ずいぶん、我慢していたのかな…」

「え…何、を…?」

「その顔…軽く口付けしただけで、何、その表情…煽ってるの?」

「え…え…?」

俺が言っても、自分の表情はわからないから、反対に慌てふためく舞が可愛い。

「全く、本当に舞、可愛い」

俺は益々強く舞を抱き締める。

そして俺は口付けをまたし、徐々に深いものにしてゆく。

「あんな顔していたんだから覚悟しなよ?」

俺がそっと囁くと、舞は俺の胸に顔を埋めながら「ん、もう…」と照れている。

そんな姿も俺には今は無防備すぎて、どうにもならない程愛らしい。

俺の腕の中で思い切り啼きなよ。

俺だけの為に、俺だけの愛を全身で受け止めて。


<終>
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