<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第131章 甘やかされる ― 姫&政宗 ―
「政宗、どうしたの?」
ある日、二人で政宗手作りの朝餉を摂っていると、政宗が難しい顔をした。
「んー、何だ、これ…」
自分で作ったはずの和え物を口にして、首を傾げる。
「これ?どうしたの…うがっ」
和え物を口にして、いつもの出汁の効いているはずの味が、しょっぱくて驚く。
「塩加減、間違えた?珍しく?」
私が聞くと、政宗はむすっとしながら頷いた。
「食べるな、これは、ここんとこの、最大の俺の失敗だ」
その言い方と表情が可愛く思えて、私はついくすりと笑ってしまった。
「…何だ?笑って…」
政宗が怪訝な顔をしてこちらを見る。
「ごめん…だって、政宗も失敗するのかと思うと、何か可愛らしくて…」
つい、笑いが続いてしまい、一人でふふふ、と笑っていると、政宗はますますむぅとした。
「舞、笑い過ぎだ」
政宗は膳から離れて私の横へ来ると、耳元に息を吹きかけた。
「んひゃっ」