• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第123章 さがしもの ― 姫&信長 ―


「一つだけだぞ」

そのまま言われて口に入れると、ほろりと甘さが口の中に広がる。

「甘い…」

私が懐かしい甘さに思わずつぶやくと、信長様はにやりとしたまま私に言う。

「秀吉には言うでないぞ。あいつに見付かるとすぐ隠される」

そういえばさっき、秀吉さんが隠したと言っていたな。

信長様は私の口元を見て、ふと、気付いたように言う。

「今、貴様、金平糖が甘いと言ったな」

「…は、はい…」

「それなら」

信長様は私の顎をすくい、そのまま私に口付ける。

口付けは深く、私の口内の甘さを信長様は堪能されるように嬲る。

信長様にそんなにされたら、私、駄目になっちゃう…

そのうち私のからだのちからが抜けそうになり、足がカクンとなる。

信長様は私を支え、横抱きにして台所を出る。

「貴様にくれてやった金平糖も甘かった。貴様自身はどれだけ甘いか俺に味わわせろ」

もう、そうなっちゃうんだ、信長様には適わない。

私は横抱きにされたまま、うんと味わってくださいね、とこの後訪れる二人の甘い時を思い起こし、信長様の首に腕を回し、もう一度口付けをおねだりした。


<終>
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp