<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第92章 淫らな恋 ― 姫&三成 ―
待ってと言うものの、その場で三成くんに押し倒され、帯を解かれる。
私のからだから色気が漂っているのかは、私には全くわからない。
けれど三成くんが言うなら、私が何かそんな雰囲気を纏わせていたのかもしれない。
三成くんの優しい唇がからだを這い、私は甘い声を上げてしまう。
「良い声です…もっと聞かせてください」
三成くんも色気を含んだ声で私に囁く。
部屋に差し込む月光のみが、私達の行為を知る。
私のからだが艶めかしく揺らぎ、三成くんの動きと同調するの。
二人のからだがあわさって、溶けて、一つになった時。
月光は部屋へ差し込むのをやめる。
更に暗くなった部屋の中、二人の淫らな声と音だけがいつまでも響く。
『どうして、私を抱いているの?』
三成くんと今、そんな仲になるとは思わなかったけれど、私はいつも接していた三成くんの姿を見て、いつか、こうなりたいと思う事が有ったと気付く。
からだから始まる恋、なんておかしいと思われるかもしれない。
けれど、私達の恋は、そこから始まったの。
「好きだよ、三成くん、だからもっと私を愛して」
甘い声をあげると、三成くんも「私もです」と応えてくれた。
<終>