<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第92章 淫らな恋 ― 姫&三成 ―
私の淫らに喘ぐ声が部屋に響く。
目の前の人は、私を官能の中に堕とし、喘がせている人。
三成くんとそんな仲になるとは思わなかった、私の頭の隅にそんな考えが起こるけれど、絶え間なく起きる悦びの渦に、そんな考えは溶けてしまった。
「ん…三成、くん…」
からだを這う唇の熱さに、私のからだの熱があがり、甘い声をあげてしまう。
武将達の会議が遅くなった時、ほつれを直す為に預かっていた羽織を受け取りに、三成くんが帰りに部屋に寄った時、それは起こったの。
「はい、ほつれたところ直したよ」
見て、と、羽織を広げて三成くんに見せる。
「わぁ、ありがとうございます、結構大きなほつれでしたから、直すのは大変でしたでしょう」
三成くんは直したところを見て、大いに喜んでくれた。
ろうそくのほんわりとした灯りは、近くで見ないとほつれの直したのはわかりにくい。
私が広げた羽織に、ずいっと近づいて三成くんが見ていた時。
ぐらり、と全てが揺れ、そんなに大きくないものの地震が起きた。
「あ、舞様」
三成くんがすぐさま、私に覆いかぶさるように抱き締めて、守ってくれた。