<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第35章 正月かるた大会 ― 姫&安土城武将 ―
「お正月は競技かるたをしましょう」
舞が提案してきた。
「競技かるた?」
聞いた事がないその名を全員で繰り返す。
「はい、とどのつまりは百人一首です」
どん、と舞が目の前に置いたのは、書庫の隅で分類にも分けず、ほうっておいた百人一首の箱。
舞が見付け、かるた遊びをしようと思ったらしい。
「競技かるたとは、普通のかるた遊びとは違うのか?」
秀吉が早速質問する。
「違います。競技かるたは1対1で行います」
そう言ってやりかたの説明をする舞に、そのうち、静かに闘志を燃やす武将達。
「勝者は何がもらえるんだ?」
と政宗。
「え…何も考えてないけど…」
舞の答えに、光秀が答える。
「それはないだろう…それなら舞が口付ければ良いではないか」