<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第26章 誘い文句 ― 姫&信玄 ―
え…口付け、されてる…
「やっぱり駄目だ。今すぐ口付けしたい」
信玄様にそんな事言われるなんて、嬉しい。
信玄様は角度を変えながら、何度も私に口付けしてくださる。
「しんげん、さまぁ」
嬉しくてもっと欲しくて、信玄様の名前を呼ぶ。
「もっと、貴方が欲しい」
おやおやといった体の信玄様。
でもからだが火照ってしまって、この熱を冷まして欲しいの。
「今日の舞は大胆だな、でもそんな君も好きだよ」
信玄様はそうおっしゃって、私を抱き上げ、褥へ運ぶ。
口付けなら後にして。
言っても言わなくても、いつもと同じだったわ。
信玄様には適わない。
褥へ私を下すと、信玄様はそのまま、私に覆いかぶさってきた。
もう、何も考えたくない。
それに、信玄様に愛され、何も考えられない。
私の熱を奪って、貴方の熱を注いで…
<終>