第10章 好意
O視点
帰宅してベットの上に寝転がり天井見て思い出す。
あのスコールの時。
ポタポタと雨の雫が優仁の髪から肩へと落ちるのを見ていたら何だか急に切なくなった。
胸がザワザワとして気が付いたら手に触れて、そしたら余計に気持ちが高まってキスしていた。
あの祭りの日から何度か考えた。
どうしてあの時、自分は優仁にキスをしたのか。
何で男の優仁に変な気持ちになるのか。
だけど答えなんてどんなに考えても出ない。
あーーもぉなんて言いながら何度も布団に入り気が付くと寝てしまうそのパターンが多くてそれ以上深く考えなかった。
だけど、一つだけ思った。
あれから優仁の態度は特に変わらない。
避ける訳でも気にした様子もなかったから、何とも思ってないと思っていた。
俺がこんなに悩んでるのにって少し不貞腐れた。
だけど、それは違った。
多分、優仁は俺以上に気にしてた。
気にして考えて、だけどそれを俺に気づかせないようにしていたと思うと胸が苦しくなる。
理由がしりたいと言った。
あんなに苦しそうに泣く優仁を久しぶりに見た。
だけど、それを見て余計に触れたくなったなんて言えなかった。
泣いてる優仁が可愛く見えたなんて絶対に言えない。
「俺・・・・なんで・・・・」
男の優仁に何でそう思ってしまうのだろうか?
俺と同じ男なのに。
あの時は同じ男が優仁の初めてなんて許せないと思った、だけど、今は少し違う気がする。
たぶん・・・否、女でも絶対に許せない。
俺は何かがおかしいのだろうか?
『僕も嫌じゃないから』
だから困ると言う感じで優仁は泣いていた。
きっと優仁も俺と同じ。
自分だけだと不安なのに優仁も一緒なら大丈夫と思ってしまうのは単純だろうか。
それでも、二人ならいいと思う。
二人が同じならと。
「入るわよ、あらもう寝るの?」
「あーうん」
「今日はどうだったの?自転車で遠出したんでしょ?」
「最高だった」
「そう、良かったわね。洗濯物はもうないわね?」
「うん・・・あ、かーちゃん」
「なに?」
「キスってさ・・・なんですんの?」