第8章 First kiss
O視点
怒りで目の前が赤く染まるなんて表現を何かで見た事があるけどきっとこう言う時の事を指しているのだろうと何となくそう思った。
買ってきた、たこ焼きと焼きソバを食べていて不意に優仁がいない事に気が付く。
長友に聞けばトイレに行ったらしい、だけどそれにしては随分時間が経っていると言う。
何となく気になったし、自分も序でにトイレに行こうと思った。
人ごみの中を通り向かったトイレ。
だけど、そこに優仁の姿はない。
もう戻ったのか?なんて思ったけど、何となくまだその辺にいるような気がして少し探してみる事にした。
暫く捜し歩いていて不意に、聞こえてきた人の話し声。
「超しつこかったよね、さっきのナンパグループ」
「ねー、酒飲んでベロベロでナンパとか。顔が良くてもごめんだわ」
「確かに」
何となく感じた胸騒ぎ。
気のせいだと思いたいのに気になって、そのグループがいただろう場所に行けば信じられない光景が視界に飛び込んできた。
体格の良い男が嫌がる優仁に無理矢理顔を近づけていく。
その瞬間、自分でも驚く位大きな声で優仁の名前を呼んでいた。
男達の方に駆け寄れば、バタバタと逃げていく男達。
フラフラと座り込んだ優仁に駆け寄れば、その瞳からはポロポロと大粒の涙が流れて全身を震わせていた。
まさか?間に合わなかった?
そう思うとイライラが爆発しそうで身体熱くなる。
パニックを起こしている優仁の名前を呼んで抱きしめる。
あんなヤツ等と一緒にされたくなかった。
自分がもっと早く来ていればとしても仕方がない後悔で頭が可笑しくなりそうだった。
クラスの男子達でした他愛ない話、その中であった1つの話題。
キス経験アリかナシか。
優仁はナシだと言った。
誰も触れた事のないそこは、いつかは優仁が想いを寄せる女子が触れるだろうとそう思ってた。
だけど、それが同姓になると自分の中で話は別だった。
否、もしかしたら女子でも同じかもしれない。
他人がそこに触れると考えただけで今は無理だった。
そっと確認すれば未遂だった言う。
だったら。
誰かがあんな事故みたいに優仁の初めてを奪うくらいならと思った。