第7章 Happenin
出かけに渡されたのは座って見れるようにとブルーシートの入った袋。
折角の花火なんだから座ってゆっくりと見れるようにと用意してくれた。
「藤原マジでナイスすぎ!!」
「助かるぜっ!」
手分けしてそれを敷いて、順番に色々と買出しをして戻ってくる頃には花火が打ちあがり始める。
夜空に咲く大輪の花はとても綺麗だった。
こうして見ていると何処でみても花火の美しさは同じなんだなぁと思った。
何となく切ない気持ちになる。
そのせいか泣きたい気持ちになってそっと邪魔にならないように立ち上がる。
「どうした?」
「ちょっとトイレ」
「おう、早く戻って来いよ」
「うん」
下駄を履いて早足でその場から離れた。
人ごみの中をただボーッと歩きながら考える事はドンドン暗くなり落ち込む。
少し人ごみからそれて静かな場所に来てハァと息を吐き出す。
「幸せな筈なのに戻りたいとかッ・・・ハハッ・・・今更ホームシック?ないわぁ・・・・そんなデリケートじゃないでしょって・・・・ッ・・・・ふッ・」
込み上げてくる嗚咽を必死で堪える。
欲張りな自分に嫌悪する。
彼の傍にいて話して一緒にいにれる幸福な世界にいるのに、元の自分を恋しがるなんて。
思い出すのは両親の事、友人達の事。
もう二度と会えないだろう現実が余計に切なくさせる。
このままじゃ駄目だと持っていた巾着からハンカチを出した時だった。
後ろからガバッと誰かに引っ付かれて身体が硬直する。
遅いから心配して誰かが呼びに来たのかと振り返ればまったく知らない男の人がいた。
「泣いてるの?可愛いね」
「は?ちょッ」
スリスリと寄られて思わず常体を反らす。
近いから鼻につく酒と煙草の匂い。
どうやら一人じゃないようで数人がそんな自分達をゲラゲラと笑ってみているようだった。
酔っ払いの大学生って感じの集団。
たちが悪すぎる。
「離してくださいッ!!」
「可愛い、離してくださいだってよー!」
「やめろっ僕、男ですよ!」
「ギャハハハハマジで!?」
「おい、そいつ男だってよー」
「俺この顔ならいけるかも」
「まじかよ!うけるー」
腕の中に抱きこまれてるせいで上手く逃げ出せない。
流石に中学生と大学生では体格も力も違いすぎる。