第5章 夢への交響曲
―――――4限目の授業が終了し、お昼休みとなった。
切「なんだかんだテンションあがるな、おい!活躍して目立ちゃプロへのどでけぇ一歩が踏み出せる!!」
朝からずっと体育祭の話題で持ちきりだった。
『みんな盛り上がってるなー…。』
梅「あら、歌ちゃんは楽しみじゃないの?」
『いや、そりゃ楽しみだけど…、男子ほど盛り上がれないというか…。』
なんだかみんなのテンションの上り様に、気後れしてしまう。そんな時。
轟「歌、今いいか?」
『え?轟君、何?どうしたの?』
芦「おっ、彼氏のおでましかー?!」
『違う違う!そんなんじゃないから!!』
私が全力で否定する。だって、こんな素敵な人と付き合うとか、どんだけ自意識過剰ですかって話。
爆「おい、半分野郎」
すると、今度は爆豪が私の席の前…否、轟君の前に現れた。
『え、爆豪?』
轟「なんだ?」
すると、突然爆豪が轟君を指さして、
爆「お前を倒して、完膚なきまでの1位になる。」
なんともまぁ。大胆不敵な宣戦布告をした。
『まぁ、爆豪らしいね…。』
などとのんきに構えていたら、今度は私を指さした。
『え?私?』
爆「いい加減気付け。うたバカ女」
『うた…、いい加減その呼び方どうにかならないの?』
爆「お前が俺の気持ちに気づいたら名前で呼んでやってもいいぜ」
『……え?何それ』
俺の気持ちって何。爆豪のどんな気持ちに気づいたらいいの。たぶんはたから見たら、私は本気でわけわかんねぇ、って顔をしてるだろう。
芦「わお、だいたーん♪」
耳「でも、肝心の本人は全く気付いてないみたいだけど…。」
八「なんともまぁ、罪な女ですわね。」
葉「歌ちゃん、超鈍感だからね。」
『えっ、みんな爆豪の言ってる意味が分かるの?』
「「それは言えない(よ・ですわー・)」」
えっ、ひどい。なんで、私全くわかんないんだけど。本人に助けを求めてみるも、全く情状酌量の余地はなさそうだ。
えっ、本気でわかんない。
そして、頭をフル回転させても何がなんだかさっぱりわからず。悩みに悩んでいると、待ちきれなくなった爆豪から、
爆「……死ねっ!!!!」
死刑宣告された。理不尽な。