第1章 再出発の前奏曲
【歌side】
2月某日――――――
まだまだ肌寒い日が続く中、電車に揺られること数時間。
私は大きな門野目の前に立っていた。
『ここが、雄英高校…!』
「超常」が「日常」となった世界。
この世界では、「ヒーロー」という職業が存在する。
そして、この雄英高校では、そんなヒーローを育成するための高校。
私、優雅崎歌は、雄英高校の入試試験にやってきていた。
(父や母のようなプロヒーローになるために…!)
決意を新たに、門をくぐると多くの生徒が受付が設置された入口へと向かう中、見覚えのある青年が、一人の少女と話していた。
(あれって…。)
緑の縮れ毛、ちょっと…いやだいぶ気弱そうな背中には見覚えがあった。