第9章 二宮さんとの休日
着替えて
部屋から出ていくと
玄関を開ける音。
誰か帰ってきたんだな
って思いながら
階段をおりていると
ガチャ
ドアを開けたのは
びしょ濡れの大野さん。
「ただいまー。」
何もないように
普通に言うけど、
髪から足にかけて
びしょ濡れですよ?
『どうしたんですか、
それ…;;;』
質問しながら
バスタオルを
渡してあげる。
「ん、ありがとー。
へへへ。」
にやにやするだけで
答えようとしない。
「何でだと思う?(笑)」
とか言い出す始末。
『え、と…
分かんないですけど。』
そんな
めちゃめちゃ気になる
わけではないけど、
ここまで渋られると
むしろ気になる
『なんでですか?…』
再び聞いてみると
「あのね、
おいらさっき
猫見つけたの。」
唐突に話が始まった。
「その猫を
追いかけてるとね…
池について
その水を飲み始めたの
おいらそれをゆっくり
眺めてて…」
って、話長くなりそうだなこれ。
と、思った私は
『あ、はい、
分かりました。
あとで聞きますから
お風呂いきましょ?
ね?』
私は
話したがる大野さんを
風呂場まで押して
無理矢理
お風呂場につっこんで、
ドアを閉めた。
リビングにもどって
二宮さんが
いるのを忘れていたことに気付く
『まぁいっか。』
男二人で
仲良くお風呂入ってください。