第4章 奪い合い
なんで、私が
追い詰められてるのでしょう。
そりゃ、
大変ありがたい
申し出なんですよ?
けど、
私にも
迷惑かけても
いい人たちかどうかなんて
わかりますよ。
あなたたちは
こんな私1人の
相手をしている場合じゃないでしょ?;;;
けど、
お金もないし
知恵も仕事もない私に
他にあてはない。
仕事がこっちに
なった以上
田舎に帰るわけにもいかないし。
仕送りできるほど
うちに余裕もない。
仕事が始まれば
バイトもやめなきゃいけないし、
仕事が安定するまでは
どっか借りるわけにもいかないし。
なにより
まとまったお金がないと
アパートも借りられない。
でも、
でもでもでも!
ダメでしょ!
頭が
不安でいっぱいになって
また泣きそうになると
大野さんが
「ごめんごめん…
追い詰めちゃった?;;;
けど、俺たちは
迷惑とか思わないから。
雛ちゃんと一緒にいたいの。
わかる?」
なんて言うもんだから
嬉しすぎて
この申し出を
ありがたく
受けることにした。