第14章 過去…。
数分経って
先輩の私の腕を
押さえる手の力が
抜けていることに
気付いた私は
ドコッ
「うっ!!???」
そのまま先輩を
蹴り飛ばし
一目散に逃げた…
もう外は真っ暗だった。
何だか家に帰る気にならず
近くの公園で
ブランコに揺られていた
さっきのことが
頭から離れなくて
涙が止まらなかった
「ふっ……うぅ…ぐすっ…」
するとどこからか
「……須王??」
と聞こえてきた。
愛しい彼の声だった。
ビクッ…!!
「は、はい…;;」
私は驚いて
涙をぬぐいながら
目の前にいる
大好きな孝に
精一杯の笑顔を作った。
でも
「泣いて…たのか…??」
すぐバレてしまった。
そんなわけ…
と否定しようとした
その時…
ぎゅぅう
私は孝に
抱き留められてしまった。
「っ……!?!?///////
たっ…孝先輩!?//」
驚いて声を張り上げる私
とは裏腹に
静かに
しかし力強く
私を抱き締める手…
その手に身を任せるように
私は孝の腕の中で
泣きじゃくった。