第34章 私立リアリン学園!13時間目~レイヴィス~
「何か用?」
高い声がホールに響いた。その声の方に視線を向ける。
扉から顔を出しているのは、ユーリだった。
「ユーリ?」
「マイン先生、昨日も見に来てたよね」
明るい笑顔で足取り軽く、ステージへと歩み寄ってくる。
「うん。練習見に来たんだけど、お休みなんだね?」
「今日はパート練習だから、それぞれのパートごとに音楽室にいるよ。ねえ、昨日、なんで途中で帰っちゃったの?最後までいたら、アイス食べれたのに」
「アイス?」
「そ。お疲れ様と親睦の意を込めての差し入れ!」
「ユーリもオーケストラの一員なの?」
「まさか。俺、楽器できないし。マネージャーと言う名の雑用係なんだ」
大きな瞳に無邪気な笑顔で、そう答えるユーリ。
「マネージャー?」
「あ、ねえ、マイン先生、これ食べる?」
鞄の中から小さな箱を取り出す。上品なパッケージを見て、すぐに中身が何かわかった。
「ヨンディバのチョコレート?こんな高級なの、もらえないよ!」
「気にしないで。もらい物だから」
「………」
もらい物って………女のコから、だろうな。それなら、なおさら受け取るわけにはいかない。