第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
グラウンドでは、サッカー部が練習してるようだ。
その周りを、たくさんの女のコ達が取り囲んでいる。
サッカー部の男のコ達がボールを蹴る度に、明るい歓声が上がる―――。
その中で、ボールを蹴っているアランの姿を見つける。
相手をうまくかわしてゴールへと突き進んでいく。
そして。
力強くボールを蹴り上げ、そのボールはキーパーの頭上をかすめ、ゴールネットを揺らした。
その瞬間、さっきよりも数倍すごい大歓声に包まれる。
「アラン様、素敵!」
「かっこいい~」
「アラン様!!!」
女のコ達が口にする名前は、アランが圧倒的に多い。
………人気あるんだあ。
やっぱり、スポーツできる男のコって、かっこいいから大人気だよね。
「今日アラン様、タオル忘れてるよね」
「渡しに行きたい~」
「私も用意してあるの。休憩になったら、行ってみる!」
「私も!」
女のコ達は、鞄の中から用意していたタオルを取り出して、待ち構えてる。
………休憩時間になったら、すごいことになりそ。
私は、アランの姿を目で追いながら、再び歩き出す。
と。
一瞬、アランと目が合った気がした―――。
けれど。
「きゃー、アラン様と目が合っちゃった!」
「私も!」
「今のは、私だってば!」
なんて、女のコ達が言い合っているので。
私も勘違いの一人かあ。
なんて笑いながら、奥の校舎へと入って行く。