第10章 私立リアリン学園!~ユーリ~ 情熱編
ユーリ 情熱編<R18>
~居残り~
校舎は、思っていたよりずっと広かった。
………歩き疲れた。
でも、あと少し。
3年と2年の教室を順番に見回り終わる。
次は………っと。
私は、1年1組の教室のドアを開ける。
「え、あれ、ユーリ?」
てっきり、誰もいないものと思っていたので、その姿を見つけて、驚いてしまう。
「あ、マイン先生、遅~い」
ユーリは、ニコニコして私に近づいて来る。
「………?」
遅いって、言われても………。
「ずーっと待ってたんだよ?」
「え………なんで?」
「ひどいなあ。居残りって言ったよね?」
「………」
私は、言ってない。
それは、ユーリが勝手に………。
そして、はっとする。
居残りって。
何をするつもりで―――?
「ユーリッ、もう下校時間だから、早く帰らないと。早く!」
私は、大きな声でまくし立てる。
「えー、だって、答え合わせ、まだ終わってないよ?」
「答え合わせって………あのねえ」
あれ、本気で言ってたわけ?
まったくぅ。
「ピンク?」
「ちょ………」
いつのまにか、すぐ横に来ていたユーリは、親指と人差し指でスカートの裾をつまむと、勢いよく持ち上げて―――。
「あー、やっぱり。当ったり~♪」
「へ………っ!?」
―――まさか、スカートをめくられるなんて、思ってもいなくて。
「え、な、何を………っ」
私は、ユーリの腕を掴む。
けれど、動じることなく、スカートは、更にしっかりと握られて―――。
「ね、俺、当てたよ?ご褒美、くれる?」
ユーリは、触れそうなくらいに顔を近づけ、いたずらっぽい瞳で覗きこんで来る。
「ご褒美って………何を言って………」
「よくできましたーって、花まる、欲しいな」