第23章 猫と一松
<ヒナside>
「一松ー!みてみて!」
「……あ?」
「これ!遊園地のチケット!当たったの!」
私はおつかいに行った商店街で抽選会をやっていて、遊園地のチケットが二枚当たり、一松に見せた。
「で?」
「一緒に行こうよ!」
「なんで俺がリア充の巣窟みたいなとこに行かないといけないわけ……
ほ、他の奴誘えばいいだろ」
目を反らしながら、小さな声で言う一松。
素直じゃなーい!
「だって、行きたかったんでしょ?
このチラシ見てたの知ってるし」
この前、遊園地のチラシを見ながら、猫耳がちょこんと出てたのを私は見ていた。
なんで一松が猫耳でるのかは、よくわかってないけど。
「えっ……それは……
ここだけちょっと気になっただけだし」
チラシを見ると期間限定の年齢制限もあるお化け屋敷だった。
「え?これだったの……かぁ……
うんっ、やっぱりチョロくんでも誘って行ってくるよ!」
「何……
お前、怖いの?」
一松がニヤァと嬉しそうに悪魔の笑みを浮かべた。
あー、また変なスイッチ入れちゃった。
「こんなの怖いに決まってるし!
怖すぎて倒れたらどーするの!?」
「……大丈夫大丈夫」
全然大丈夫じゃなーい!
「一松兄さん!ヒナ!遊園地いこー!」
バーン!と部屋に入ってきたのは十四松。
遊園地のチケットを五枚持っていた。
「十四松どうしたの?それ」
「あーなんか商店街で抽選当たったー」
「遊園地のチケット大盤振る舞いだね?」
「なんだ。
……結局、全員参加になるわけね」