第22章 猫とトド松
<トド松side>
すごいや……
気持ちが通じるってこんなに胸がいっぱいになるんだね。
キスをしたら、頬を赤く染めながら笑顔を見せてくれるヒナちゃんが愛しくて愛しくて、僕はもう一度強く抱きしめた。
「他の人に触られたの嫌だったの。
トド松じゃないと……」
なんて照れながらいうヒナちゃん。
何これ、キュン死にしそう!
「じゃ、じゃあ、もう合コンなんて行かないでね?」
「うん、トド松もね!」
あれ?なんか誘導された気がする。
いや、もちろん行かないけど!
ヒナちゃんなら、あざとくても許しちゃう。
「あーいたいた」
「ヒナー!」
「あれ?みんな、どうしたの?」
ぞろぞろとやってきた兄達。
「いやー、ちょっと帰りが遅いから心配でさ」
「レディが迷子になったら大変だからな」
「……もう帰ろ」
「うん。あれ?
十四松、バットに血がついてるよ……
怪我でもした?!」
「んーん!たぶんあっちがし……」
十四松兄さんの口を全松が押さえた。
「い、いーから帰ろうぜー」
兄さん達が何をしてきたかは知ってる。
止めなかったのはわざとだし。
僕は兄さん達に見つからないように後ろでヒナちゃんの手をギュッと握った。
あーでも、次からは僕が標的……
でもヒナちゃんの為なら僕は負けないよ?