第20章 猫と十四松
<ヒナside>
ある日の夕方。
いつものように元気よく十四松が帰ってくる。
「たっだいまー!
ハッスルハッスルーマッスルマッスルー!」
「おかえり!十四松」
「あー今日はでっかいヒナちゃんだー!」
ぎゅーっ!と猫でも人間でも変わらず抱きしめる十四松。
笑顔に幸せが溢れる。
「今日は晩御飯、松代お母さんと一緒に私も作ったよ!」
「やったぜ!お腹空いた!」
猫のときは手伝えないけど、松代お母さんと家事するのは私の楽しみの一つ。
「ポテトサラダおいしーい♪」
「この唐揚げも最高にデリシャス!
ヒナはいいワイフになるな!」
「うますぎ!ヒナ、早く俺の嫁にきてくれよぉ」
「……おかわりー!」
「ふふ、十四松。もう五杯目だけど、お腹大丈夫?」
「おかず美味すぎて止まらないぜ!」
十四松の食べっぷりにお腹も心もいっぱいだ。
「明日は十四松と一松とヒナちゃんで遊びに行くんだっけ?」
「うん!動物園行くの」
「……でかいにゃんこと戯れる」
フヘヘと怪しげな笑みを浮かべる一松。
「一松、猫科はみんな猛獣じゃない?」
「俺はそれでも友達になるし」
「あー僕も行きたかったな~
約束しちゃってたからなぁ」
「僕もイベントなかったら行くんだけど、ごめんね、ヒナちゃん」
「くっ!俺もチビ太に呼びだされなければ、レディとアニマルタイムを!」
「アニマルって呼ぶとなんか卑猥じゃね?
DVDにあったか……ヒナ、そんな冷たい目で見ないで!
あ、俺は新台入るからムーリッ!」
他の兄弟達はそれぞれ予定が入ってしまっていた。
「……クソ松は最初から呼んでない」
「行けないって言ってるのに追い討ち!?」
「アハハー!めっちゃ楽しみだね?ヒナ」
「うんっ!」