第19章 猫とチョロ松
<チョロ松side>
最後に……
その言葉が僕の胸に突き刺さる。
真っ赤になりながら、僕のために見せてくれた可愛い姿。
でもヒナちゃんの顔は今にも泣きそうだった。
僕のせいだ……
僕は震える手を伸ばし、ヒナちゃんを抱きしめた。
「ごめん……ずっと避けててごめん。
帰るなんて、言わないで……僕たちの家は同じでしょ?」
「で、でも私のこと嫌いでしょ?チョロ松くん」
「違うよ、違うっ!嫌いなわけないよ!!!
近くにいたら、どんどん好きになっちゃっておかしくなりそうだったから!」
「……わ、私のこと好きなの?」
「う、うん。す、好き。超絶好き」
「……嬉しい。私もね、チョロ松くん大好き」
そう言って、ヒナちゃんは僕の頬にキスをしてくれた。
「え、え?本当に……?
僕が一番好き?」
「チョロ松くんが好きだよ。
二番目作って欲しいの?」
「ダ、ダメ!」
「よかったぁ。おうち、一緒に帰ろ?
あ、反省会……行くの?」
「それは大丈夫。いつでも行けるから今度にするし。
あ、でもまだ帰らないよ?
その格好、僕のためにしてくれたんだから、他の兄弟に見せちゃダメ」
「はーい」
クスクスとヒナちゃんは嬉しそうに笑った。
いや、マジでこんな超絶可愛い格好みせられないでしょ?
「あと、他の奴らの膝に乗るのもダメ。
人間のときもおそ松兄さんとかに気をつけてね?
あ、寝るのももちろん僕の隣ね?
人間に戻ったら僕が守るから。
それに仕事は家から行けばいいし、あとは……」
「あとは、帰ったらチョロ松くんの膝で寝たいな」
もちろん!
僕の膝は君のものだよ。