第16章 真実と葛藤
「よし!それならさ!これからも俺達の側にいること!」
「……えっ?!」
「別に猫でも人間でも、もうお前は家族なんだから勝手にいなくなったりすんなよ?」
ニカッ!と満面な笑顔のおそ松兄さん。
「で、でも嫌でしょ……?
追い出したりしないの?」
「嫌なわけないじゃーん!追い出す?ないないっ!
え?何、怒って欲しかったの?」
おそ松兄さんが頭を撫でると、ポロポロと涙を流し、唖然とするヒナちゃん。
可愛い可愛いヒナ
僕らから離れようなんて思わないで
君なしの人生なんて、もう僕らは考えられないよ
「あー!おそ松兄さん、ヒナ泣かしたーっ!」
「えー?俺、怖かった?」
よしよしとヒナちゃんの頭を撫でるおそ松兄さん。
こーゆうとき長男ってズルイよなぁ、
みんなが思ってること代表で言っただけなのに……
「じゃー、もういっこお願いしちゃおー!
散々、俺達の膝でゴロゴロしてたんだから、俺にもさせてー!」
そう言いながら、おそ松兄さんはヒナちゃんの膝で寝転がる。
「……ってことは僕、ヒナちゃんをお風呂に入れたりしてたの!?」
よくよく考えたら、想像するだけでヤバい。人間だったらあり得ない部分とか洗っ……や、ヤバ……僕は不安になって鼻を押さえた。
どーりで急に一松兄さんがもう風呂は入れなくていいって言ってきたわけだ。
「ひざ……ふ、風呂……」
想像の限界を越えたチョロ松兄さんが鼻血を吹き出して倒れる。
ふぅ……危ない危ない。
「チョロ松にぃさぁーん!」
「おい!おそ松!
いい加減レディから離れろ!
レディのキュートなお尻を揉むんじゃない!」
「いいだろ!カラ松、減るもんじゃないし!
後で代わってやるから!」
「お、おう……チェンジ制だな……うん」
「えー!?兄さん達ズルい!次、僕だからね!」
ヒナちゃんは僕らが膝の取り合いを始めたので、焦りながら一松兄さんのほうに顔を向けた。
「い、一松ー!?どうしたらいいのこれー?!」
「はぁー……カオスカオス……」