第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー
松野家の二階にある六つ子達の部屋。
まだ真っ暗な深夜、チョロ松は悪夢から覚めると同時に叫びそうになる。
「……っ!!!???」
叫ぶより先に温かく柔らかな感触が唇に触れた。
「チョロくん……」
そのままギュっと抱きしめられて、チョロ松はヒナだと気づいた。
目を開けるとそこにはヒナの笑顔がある。
「ヒナちゃん……
僕、ヒナちゃんが死んだかと……」
「私はチョロくんが死んだかと……
ああ、そっか……あの人……
あのね、私の夢だとチョロくんが胸に刺してたよ?」
夢魔のみせる夢はいつだって悪夢……
あのイヤミに似た顔の夢魔の笑い声が聞こえた気がした。
二人はもう一度、確かめるように強く抱きしめあった。
大好きだよ……君が大好き……
むにゅ……っ!
「あ、あの……チョロくん?お尻揉んでない?」
「ご、ごめ……身体が勝手に……っ!
……ヒナちゃんが裸だし…はだか…お尻柔らかいし、お、おっぱい当たって……」
チョロ松はどんどん鼻息を荒くし、つぶやきながら手はどんどんと強く揉み続け、手をヒナの足の隙間に滑り込ませる。
「や、ちょっ、勝手にって……っ、んっやめ……っ!」
パチン……ッ!
突然、真っ暗の部屋に明かりがつく。
起き上がった一松が部屋の電気の紐を持っていた。
「何やってんの?チョロ松兄さん、殺すよ?」
「……チョロまーつ……レディから離れろ」
「おい……てめー誰の許可とって、その尻触ってんだっ!俺の尻だぞっ!」
「結局、こうなるんだよね?ほんとさ……チョロシコスキー兄さん最悪っ!」
「チョロ松兄さんコローッス!!!」
「「マジぶっ殺すっ!!!」」
「うわぁっ!すみませんでしたぁっ!!!」
「ほんと……馬鹿ばっかなんだから……」
五人に袋叩きに合うチョロ松の横でシーツで身体を隠したヒナが大きくため息をついた。
GOOD END