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【松】猫と六つ子

第54章 ちっちゃな君と僕 逆ハー



デカパン博士から1つの薬を貰い、ヒナは松野家に戻った。
寝る前に飲むことと言われ、起きた時に裸になったら困るので布団の横にいつもの着替えを置いておいて貰った。

「みんなと同じ部屋で寝なきゃ駄目?大きくなって裸になったら嫌なんだけど……」

「「駄目っ!!!」」

そこは譲らない六つ子。
ヒナは、はぁ…とため息をつく。





「チョロくん」

「ん?」

「今日はチョロくんの横で寝てもいい?本当は二人きりで寝ようかと思ってたんだけど……」

「えっ!?え、えええええっ!?」

「はぁっ!?ズルくねっ!?」

「何でチョロ松兄さんなのぉ?」

「あれから毎日、怖い夢見てるでしょ?この前一緒に寝たとき…ぼんやりだけど、私もその夢を見た気がするの。それに私と寝たほうが寝れると思うし」

「そっ、それは……そうなんだけど……一緒に寝たとき、ヒナちゃん夢には出て来なかったよ?それに前みたいに何かあったら……」

「大丈夫!私も頑張るからっ!って一緒に寝るだけなのに、何言ってるんだろうね?やってみよ?」

「ヒナちゃん……」

ぎゅっと抱きしめたい……そう思った。
だけど、小さな彼女にはそっと触れることしか出来ない。
チョロ松は目に溜めた涙をぐいっと拭き、そっと持ち上げ、ヒナを自分の布団の横へ連れてきた。

「よ、よろしくお願いします」

「ふふっ、はーい」

ペコリと土下座するチョロ松にヒナは笑う。







「十四松、お前今日はこっちに来い」

「そうだな、レディが一番右になるようにしよう」

「……う、うん。
……わかったぁ~」

十四松はしぶしぶ自分の枕を持ち、一番左の一松の隣へ移動する。

「んじゃ、電気消すよぉ~?
おやすみ♪ヒナちゃん」

「「おやすみぃ~」」







「ヒナちゃん、おやすみ」

「おやすみなさい、みんな……」



神様……神様……
どうか……どうか……
彼を(彼女を)……助けてください……


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